新築一戸建ての注文住宅を買ってみたんだが・・・(回想)!

 平成21年2月28日、3,500万円弱で一戸建て注文住宅を購入した。都会から田舎(?)に引っ越し、居を構えたのである。

 平成20年8月から新たに住むための家を探し始め、契約は9月下旬、着工は11月中旬であった。書店やネットで調べると、家が建つには、通常4~6か月かかるはずなのだが、3か月で済んだ(早い完成には感謝すべきであっただろうか?)。

 当初、素人である注文主にとって、専門家である地場ハウスメーカーにすべてお任せすれば、万全だと思い、また、遠方に住んでいたこともあって、そのままお願いしていた。

 勿論、建築中も、建築後も家に関すること(ネット情報等)は調べはした。そして、気にかかる点については、営業担当者に電話をかけて訊いたりもした。そのほとんどの応答は、「大丈夫でしょう!」というばかりで、少し頼りなさが感じられた。

 さらに、接客対応においても、態度が契約前と契約後では、明らかな違いが感じられた。

 平身低頭だった(お客様は神様)のが普通の事務的な応対に変わったことである。落差が激しかったことに違和感をもった。その後に分かったことだが、ネット情報でも、この点が指摘されていた。

 

 加えて、とりわけ苦労したのは次の点であった

❶敷地の一部(北西側)が側溝(幅20㎝)になっており、敷地周囲全体の通り抜けがやや困難になっていたのを、そこを通り抜けが容易くなるよう要望したが、返答がなかった。そこで、直接、外構工事担当業者に電話をして善処を要望したが、これも返答がない。しまいには、当方が、営業担当者や外構工事担当者に対し、溝の上に側溝用の蓋を付けたらどうかという提案をする始末であった。何度かの電話でのやり取りの末、ようやく側溝を埋めてもらったが、別途20万円の費用を要した。

❷2階の北西側の部屋の窓が大きくて、その窓と隣のアパートの廊下の通り道とが相対している。そこで、透明ガラスの窓でなく、すりガラス等でアパートの廊下側から室内が見えないように工夫してもらう要望をしたが、すりガラスは高価だとして難色を示された。そこで、当方として、白色電球のような窓ガラスの装着を提案した。結局は当方の提案通りになったのであるが、そのことについての応答は、一切なかった。

 

 その他、素直ではないものの、要望に応じてくれたものは、次のとおりである。

❶玄関上り口階段のタイルの一部や外部水道蛇口土台に、それぞれ小さいヒビ(クラック)が入っていたのを修復

❷和室にある押し入れ用ふすまの取っ手口不具合(外れていた)の取り換え

❸2階に上がる階段上り口手すりの設置(落下による危険防止)

❹1階の軒下用竿かけ(2個)の設置。2個で16,000円別途加算

❺説明図でのフェンスの高さが60㎝だったのを、80㎝にしたこと

 

 要望に応じてくれずにそのままになっているものは、次のとおりである。

❶2階の軒下用竿かけ(4個)の昇降が不能のまま

❷玄関前駐車場のセメント部分の範囲が、当初の説明図より狭くなっている。

❸当初の説明図だと、勝手口の外上部に屋根が付いていたが、屋根が取り付けられていない。

❹リビングの天井クロスに、ごく小さく長いうっすらとした亀裂のようなものが1本入っている。

❺屋根の長さをベランダまで延長してくれるよう要望するも、駄目とのこと

❻ブロック塀が2段になっているのを、3段にすることも叶わなかった。

 

 そして、その1年後になって気づいたことは、次のとおりである。

❶大雨の時、やや低地のためか、敷地(特に、玄関前駐車場付近)が水につかることがある(購入当時は、草が生えていたためか、やや低地か否かは分かりにくかった)。

❷玄関横の建物土台セメント部分に2本の小さなヒビ(クラック)が見つかった。

❸玄関付近の建物上下部3箇所に、コーキングのヒビ割れ(クラック)が発見された。

 ❷と❸については、当方がセメント等を塗ったりして応急措置をしているものの、不完全状態。 

 

 今となっては、難しい次の事情もある(特に、大雨に対し将来とも不安視)。  

❶玄関駐車場前がやや低地になっているために、道路との勾配に段差をつけて多少高く(10cm)したくても、排水栓及び浄化槽等のため、高額で困難な工事が伴う。

❷浄化槽及び排水栓の位置が車輪が踏み入れる状況にあるので、それらの位置を変更してもらいたい(現に、排水栓が車輪の踏み入れにより窪んでいる)。

 

 昨年春過ぎだったと記憶しているが、小さいお子さんを抱いた見知らぬ小綺麗なお母さんが、当方に対し、遠方で新築するので、「どこのハウスメーカーが良いですか?現に住んでみた状況はどうですか?どちらのハウスメーカーで建てられましたか?」とかいうようなことを尋ねられたことがあった。玄関駐車場前での偶然の出来事である。

 これに対し、当方は、「1戸建て住宅購入の場合、土地付きの新築建物が一般的なので、住む具体的な場所に制約され、どこのハウスメーカーが良いか云々は一概には言えない。ネット等で調べたらどうですか。」と言うと、しつこく当方の建てたハウスメーカーの名前を訊いて来た。」

 当方としては、「具体的なハウスメーカー名は言えない。今住んでいる家は、あまり良いとは言えない。近所で建てた人に絶賛する人もいるかもしれないけれど、そちらで訊いてみられたら・・・。」と言うと、不機嫌そうになった。そして、「特に、外構周りに気を付けたらどうですか。」と告げると、そのまま去って行った。

 新築一戸建て住宅の購入は、庶民にとって、後がないといってもよい程の一生ものの高額な買い物(異口同音にハウスメーカーの営業マンは口ずさむ)なので、慎重には慎重を期するのが当然である。

 当方も、限られた時間等の範囲内でネットや書物で調査したが、新築住宅の売り出しの時期やハウスメーカーの新築住宅取扱いの関係等で気に入った最良の物件は見つからなかった。購入すべき土地の位置(利便性)や広さで決まったようなもので、どのハウスメーカーが良いか云々の問題ではなかった。

 少なくとも言えることは、今まで訪問した他の2社のハウスメーカー(いずれも分譲住宅販売)よりは、良かったということだけである。彼ら営業マンには、大手ハウスメーカー然とした少し尊大ぶった態度が窺われ、また、とても購入するには不適当と思われる物件を紹介して来たからである(一生ものの高額な買い物を口ずさみ注意を促すのに、当方にとっては「違うだろ~!」と言いたい物件ばかりを紹介し購入させようとする?)。

 よく、新築住宅購入についてのアドバイスとして、「信頼できるハウスメーカー」を見つけるのが一番だと言われている。それは、とりもなおさず「信頼できる営業マン」を見つけることを指しているようである。というのも、ユーチューブ等のネットでは、しきりに大手ハウスメーカーの実際あった問題点を突いているからである。

 しかし、特に「信頼できる営業マン」に当ることが、「信頼できるハウスメーカー」に繋がるのかについて少し疑問が残る。なぜなら、そう言っている論者は、その多くが、元大手ハウスメーカーの営業マンだったからである。

 全くの偽り・誇張ではないにしても、強調しすぎではないだろうか。

 当方の経験からすると、良い営業マンとは、腰の低い親切な人。注文主の意向をくみ取ってくれる人、注文主の疑問に対し忌憚なく率直に説明してくれる人、注文主の気づかない点についても適切なアドバイスをしてくれる人、を指すものと思われる。

 翻って、そもそも、営業マンは、契約をとっていくらの世界(大手では、1契約あたり100万円の割増金が出るとの話もあるぐらい)である。そうすると、あまりに善良すぎる営業マン(バカ正直)は、契約が取れず失職をする憂き目にもなり兼ねない。多少の言葉の「あや」はあるのが本当のことだろう。要は、注文主の何が重点項目だったかが別れ道になろうか。

 なんだかんだ言っても、良い営業マンに当たることは、良い新築住宅購入に向けての第一歩であることに相違ない。

 

 ここでの話の結論として言いたいことは、専門家のいうことだからとして、これに盲信してはいけないということである。

 専門用語は分からないにしても、ある程度の知識があれば、常識や経験を生かして、どこかがおかしい(腑に落ちない)という疑問ぐらいは見つけられるものである。

 大手ハウスメーカーだろうが、地場ハウスメーカーだろうが、それぞれ一長一短はあることである。一戸建ての極小新築住宅について、両者について(TV宣伝の多寡によりその優劣を決めのは前述の論者には的外れに映るように思われる)、桁外れの違いはあるのだろうか?あとは、価格面、返済能力、土地の立地状況(利便性)等住宅購入者の事情次第で、物事が決するように思われる。